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田中雄二さんは一昨年の11月から、ヨシケンのサポートバンド The JETS でギターを担当。 マキシシングル「白夜 / バタフライ」では、アレンジも担当されています。
雄二さんはそれ以前は「Galla」というバンドで、エイベックスからアルバムを発表したりと、順風満帆なミュージシャンライフを送られていたそうですが、バンド解散後は音楽業界に嫌気がさし、単身アメリカを放浪されていたこともあるそうです。
そんな雄二さん。ヨシケンに出会った頃は「いろいろと迷っていた時期・・・」だと伺いました。 雄二さんご自身のミュージシャン人生においても、大きな節目となった今回の
SHIBUYA-AX。普段なかなか訊く機会のない、雄二さんの声、雄二さんからみた 2004/2/11、とても濃い内容になっています!ぜひご覧ください!!
● まずは、AX当日のことから伺いたいと思いますが、当日はどんな気持ちでしたか?
ユ:やっと来たな、っていう気持ちがすごく強かったね。AXの搬入口のところで「AXだねぇ・・・いやー、AX
だねぇ」って(笑)。何て言ったらいいか、言葉にならない感じだったよ。想い出の場所になってしまったね。俺も結構 HP とか見てたりしてさ。リハの時のヨシケンのへたり具合とか見て、「大丈夫なのかこの人は?」なんて思いながら、だんだんファンの人が盛り上がってくる感じとかを感じてたんだよね。
でもストリートには実際見てないからその大変さとかはわからないんだけど、リハの時に鬼気迫るものをヨシケンの歌からすごく感じてさ。随分前に AX
をやることを決めた時のことなんかを思い出してたらなんだか知らないけど俺もすごい盛り上がってきて、さっきヨシケンがビデオ【ヨシケンさんから雄二さんへのコメントビデオ】で"現役"って言ってたけど、なんか現役ならではの前の日眠れない感じっていうのかな、あの曲はこうやって弾こうとかさ、想像力というか演奏してるみんなの姿が全部見えちゃってきたっていうか、そんな感じで AX
を迎えたわけなんだよね。
やっぱり直前にメンバーが変わった(高垣さん、スティングさんが加入)ってのがすごく大きくてね。・・・って、前置きは長いんだけど、正直めちゃめちゃ楽しかった!って一言なんだよね。細かく言えば沢山あるんだけど、それは音を聴いてもらったり映像見てもらえれば。ヨシケンがビデオで"輝いていた"って言ってたけど、田中雄二としてのギタリスト人生の中で俺の中ですごく節目になったライヴだったんだよね。あんなにあったかいライヴは今まで無かったかなっていう。
● あったかい?
ユ:うん。なかなか無いと思うんだよね。前のバンドの時も、段階を経てだんだん大きい会場でワンマンが出来るようになって、ヨシケンと同じでお客さんが「ここまで Galla【ガラ /
雄二さんが以前在籍していたバンド】が出来るようななったんだ」って気持ちはあったんだろうけど、メジャーという周りの人に守られた環境の中で ON-AIR というステージがあったんだけど、ヨシケンの場合は一人でストリートで戦って AX のステージに連れてきたっていう。ファンの人たちだけじゃなくて俺も連れてこられた一人なんだけど・・・。
なんだろう、ヨシケンというアーティストのバックでギターを弾くんだっていう、弾けるんだっていう感じですごく気持ちが熱くなってきて。とてもいい経験というか、ね。ノ結構いいこと言ったでしょ?(笑)
● すごーい!!もう、結構ウルウル来ちゃってますよ!(笑)
ユ:スタッフとか、まわりのみんなもだんだん顔つきが変わってきたよね。なんだろうね、妙な落ち着きっていうか。目が据わってきたっていうか(笑)。いやぁ、みんなすごくしっかりしてきて、あぁ戦ってるんだな、ヨシケンって人を支えてみんなそこへ向ってるんだなってそんな気がしたり。俺は基本的に怠け者なんだけど、やらなきゃいけないんだっていう使命感とかそんなものが生まれてきたりね。
● いや、インタビューの初めからこんなにいいお話が聞けるとは・・・。
ユ:俺、久々に燃えてんだよ!ってね、言ってたもん。あんまり今まではファンの人に告知とかしなかったんだけど、自分なりに HP で告知してみたりね。やっぱり見て欲しかったから。
● みんな、ステージ上の雄二さんはキラキラしてた!って!口を揃えて言ってますよね!下手のステージ袖から見てると、ジョニーさん・ヨシケンさん・雄二さんって一直線に見えるんですよ。いつもとオーラが全然違うっていうか、うーん、、、
ユ:いや、いつもと全然違うもん(笑)。
ユ:正直ね、ヨシケンに最初会った時、すごい胡散臭い人だったの(笑)。俺も(音楽業界でやってきて)大体裏事情とかわかるから、なかなか腹を割らないなって思ってたんだよね。俺もサポートっていうスタンスが初めてだったからさ、なかなかどうすればいいのか分からなくて。でも、ヨシケンがビデオで言ってように、俺も人生の岐路に立っていたって言うか。バンドとして色々やってみたもののなかなか上手くはいかなくて。
あるきっかけでヨシケンと出会ったわけなんだけど、最初の方のライヴは結構ぎくしゃくしてた。次第に4時間ライヴとかめちゃくちゃなことをやらされて(笑)、とにかくめちゃくちゃな人だと。何が一体やりたいんだろう・・・?と思ってる間に AX
が決まって、どうなちゃうんだろうかって正直不安でね。でも、レコーディング合宿の時とかに、だんだん現状を話し始めて・・・、最後なんか日記にも色々書いてたりしたじゃん?
ここまで曝け出しちゃうんだなってびっくりしたね。俺もすごく同調したっていうかね、なんか分かんないけどいいライブだった(笑)。
● 最後の方で、リハも大詰めになって、一緒にいる時間も長くなってきたと思うんですが、シンクロしてくるものもあったりしましたか?
ユ:うーん、何ていうかな、シンクロっていうか。。。そうそうリハでね・・・、ってまた話がずれるんだけど(笑)、ヨシケンってこんなに歌上手かったんだ!って思ったんだよね。バンドが変わった影響もあったかもしれないけど、ヴォーカリストヨシケンっていうイメージから、シンガーヨシケン、路上アーティストヨシケンっていうものがだんだん見えてきたっていうか、ギリギリのところになってやっと見えてきたっていうか。
シンクロっていうより、裸のヨシケンっていうのかな、本来のヨシケンだったのかもしれないけど、そういうものがやっと見えてきたんだよね。だから、本来の自分がやっと出せたんだと思う。素直に前に出てってガーンって弾くっていうか。前もそうやってやってたんだけど、最近はやってなかったんだよね。意味とか無いんだけど、素直に体が前に出ていったんだよね。だから、1年経ってやっとシンガーヨシケンが見えました。遅いのかもしれないけど、ヨシケンもきっと迷ってたりしたんだろうと、分析してます。
● やっとヨシケンがヨシケンらしくなった、と。
ユ:ステータスとかじゃなくて、気持ちの上でね。俺もそうだし、みんなもそうだし。揺ぎ無い感じっていうのかな。これが本当のヨシケンらしさなんだろうなって感じることが多かったよ。
● 私【やすこ】がスタッフになったのも雄二さんがサポートとして参加されることになった時期とほとんど一緒なのですが、その時にヨシケンさんが「まず新しいメンバーでライブ活動をやる」と宣言されたんですよ。
ユ:一応オーディションみたいなのもあったんだよ(笑)。その時のヨシケンは、先生みたいな人だな、って思ったんだけどさ(笑)。サポートっていうスタンスは初めてだったんだけど、自分の為になるなら、いろんな個性を持った人とプレイ出来るならやってみようと思ってね。スタジオに入って
BOY'S LIFE のイントロのギターを弾いたんだけどね。
・・・というか、「これしか弾けません」って感じだったんだけど(笑)。でもヨシケンに「アレを聞いた瞬間決めたよ」って言われて、何て人なんだ!?ってびっくりしたけど、あそこに目をつけるってことは同じような感覚を持ってるんだと思ったね。
● ヨシケンとここが似てるな、と思うことはあるんですか?
ユ:うーん、まずはネコ好き(笑)。
● あそこまでハマらせたのはユウジさんの影響がかなり強いのではないかと・・・(笑)。
ユ:そうなのかなぁ。うちに来ると「ジゴロー!」って飛びついてるけど(笑)あとね、ネコ好きに共通するのは寂しがりやってのがあるんだよね。俺も自分で言うのも何なんだけど(笑)、寂しがりやなんだろうなって思うよ。一番似てるって思うのはそこかな。
● にゃーにゃーうるさいですからねぇ(笑)。
ユ:意外とフリークレベルに来るのは早かった(笑)。預かってたネコの話をしきりにしててね、俺としてみれば、そんなちょっと預かってるくらいじゃ~なんて思ってたんだけど。だんだん、「おっ、細かいところまで見てるじゃん」って。フリークとしての気持ちは良くわかるからねぇ。通だねぇ、そういうとこ気になるなんて好きだねアナタ、みたいな(笑)。
猫に話しかけてる、なんて話をロックミュージシャンは人に言わないでしょ?でも、それを普通に話してくるところまで行ったのは早かったね。まぁ、何でも話す人なのかもしれないけど。そうやって話をして、人を寄せ付けるのが彼の魅力なんだろうな。今、同じバンド【death
Rain】をやってるヤツも最初は、なんて無謀な男なんだろうて思ったらしいんだけど、AX を見て「あそこまでやられちゃうとさすがに納得だわ」って。人を寄せ付ける魅力があるんだろうねってね。
こんなインタビューで褒めてもしょうがないんだけどね(笑)。でも、自分自身がヨシケンの年になった時に、あそこまでバカが出来るだろうか、って思うよ。
● JETS のメンバーの中では一番若手の雄二さんですが、大きなライヴを一緒に乗り越えたメンバーについてはいかがですか?
ユ:ジョニーさんはすごいよね、本当にギター好きなんだろうなって。研究熱心だし、あれだけのギターを弾くパワーってすごいよ。尊敬してます。ガキさんはね、あんまり表情を見せない人だから、最初は何を話したらいいのかわかんなくてね。RED-Zone
の楽屋で、本番はサングラスをかけてたんだけど、楽屋でもかけてて確か「ガキさん、マトリックスみたいですね」なんて会話した覚えがあるよ(笑)。
AXへ向けて佳境に入ったあたりから色々コミュニケーションも取れるようになって。「このメンバーでまたライヴやりたいね!」って言ってくれたのが印象的だった。ヨシケンにまたチャンスを作ってもらわないと(笑)。
スティングさんはね、他の人と何がどう違うかって言葉にしづらいんだけど、すごくベースで盛り上げられる人なんだよね。自分がいつも心がけていることとすごく近い感覚を持ってるのかもしれない。彼が加わったことによって、ジョニーさんと俺がすごく盛り上がってきてね。「いいね!」「いいね!」の連発だったよ(笑)。ぐわーーーっと盛り上げられて俺もガーーーンッっていっちゃう感じだな。JETS
は、すごく居心地がいいよ。認めてるからね。信頼関係がちゃんと成り立ってるね。
● AX の日に「白夜 / バタフライ」が発売されましたが、今までとは全く違った曲調で、昔からのファンや関係者もすごく驚いていますよ。
ユ:レコーディングの時は、もう頭ハゲそうだったよ(笑)。エンジニアとヨシケンとメンバーとみんな頭抱えてね。「バタフライ」のアコギバージョンなんかはめちゃめちゃ苦労したね。でも結果として一つの作品に仕上がって、本当に良かった。去年から色んな曲のアレンジを任せてもらえてね、責任をいい意味で負わせてくれて。すごく勉強になったよ。
● バタフライは早い段階からデモで聞かせてもらっていたのですが、アレンジ大賞ですね!
ユ:正直、俺もめちゃくちゃ迷ったんだよね。ここだけの話、最初は長淵みたいな歌い方してたんだよ。ミディアムでやった方がいいことはわかってたから。試行錯誤の中で、聞かせるっていうことを考えて、ノリを大きくしたかった。
さて、どうしようと思っていた時期に、自分としてはあまり出来の良くなかったライヴがあって「これじゃいかん!」って思って、帰って勢いで作ったら「これだ!」って思ってね。その日の夜中、そのままヨシケンにすぐ送ったら、向こうも反応してくれて。そこから殆どアレンジは変わってないかな。逆境の中から生まれた曲です。
● バタフライで大きく変われた、ってヨシケンはしきりに言ってますね。
ユ:そう言ってもらえるとアレンジした甲斐があるよね。俺の周りでも「雄二らしい」ってすごく言われてて。自分らしさも出せて、ヨシケンの良さも出せたんじゃないかと思う。俺の中でもすごくいいアレンジが出来たと思ってるよ。「白夜」は調子に乗ってより自分のカラーを出してしまって、ヨシケンの濃さと相まって、すごく濃くなってしまったんだけど(笑)。
● シングル全体で一つ新たな世界観が見出されたというか。
ユ:白い恋人なんか、また今年の冬には違ったアレンジとかが生まれそうな予感がするな。
● 色んな意味で型破りなシングルですね。
ユ:実は、アレンジもあんまり得意じゃないんだけどね。俺が加わってから、曲もいっぱい作ったしね。時間に制限がある中で作ったことによる良さもあるとは思うんだけど。それにしても、出会った年の冬あたりは本当に大変だった。
沢山作った曲のコード進行も似てるし、ライヴの企画とかも何でこんな無茶ばかりするんだろうって思ったけど、あの時彼は相当がむしゃらだったんじゃないかな。自分の存在価値を高める為っていうか。でも AX
を終えて振り返ってみると、これがやりたかったからあの時期があったのかなって思う。ヨシケンの言葉ですごく影響受けてるのが「今は今でしかない」ってヤツ。プライベートなことから仕事や音楽のことまで、今すごく感じることがこの言葉だったりするよ。ファンの皆さんもどんどん真に受けていいと思う(笑)。
● 言いっぱなしじゃないところが、すごいと思いますよ。
ユ:すごく希少だと思うよ。若い奴は若いなりに無茶が出来るけど、あの年になって、一度挫折を味わってあぁいう風にやれる人って本当に少ないと思う。しかも音楽で、アメリカとかだったら別だけど、ましてやこの日本で逆境の中でやるっていうのはね。スタッフもよくやってるな、って思うよ。
● いやいや、そんなことは!
ユ:いや、本当にね、よくやれてるなぁって思うよ。スタッフ日誌も見てたんだけどね、「信じるということ」みたいなことが書いてあって、だからこういう目をしてるのかな、ってAXの時の目とかね。
● いや、史上最強にテンパってましたけど・・・(苦笑)。
ユ:でも相乗効果って言うかさ、スタッフとかあのライヴに関ってた人がすごく輝いてたから俺も輝けた。それは絶対あると思うんだよね。その頂点にはヨシケンって人がいるけど、そのヨシケンも一人じゃ無理で、俺達がいたからだと思うし。みんなでっていうのがすごい強かったよね。これだけのことをやったんだから次がもっと大変だけどね。でも、JETSはいつでも呼んでくれよ!って気持ちだからさ。
● ヨシケンの周りにいる人は、そういった方が殆どですね。いつでも声かけてよ!みたいな。本当に、財産だと思います。では最後に、これからヨシケンとの活動の中で、やってみたい事ってありますか?
ユ:おっ、いい質問だね(笑)。 彼が必要としてくれるなら、俺は全力でギターを弾きたい。歴代 JETS
のメンバーに入れてくれよ!ってね。純粋にもっといいライヴが出来たらなって思うよ。ヨシケン風にいうと、戦友って言うかさ。
● おぉおおおおお~っ!!!
ユ:今度はストリートにも出て行きたいって思ってます。一緒に AX を戦った仲間だからね。時間の許す限り、いつでも駆けつけます!って感じだな。一緒に頑張りましょう。
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雄二今回はインタビューに協力してくれてありがとう!そして改めてだけど、SHIBUYA-AX お疲れ様!!雄二と一緒に AX
のステージに立てて最高でした!ホントありがとう!!いろんな話は先日会ったときしたけど、印象深いのは AX で一瞬だけだけど、俺達中学生みたいだったってこと。
雄二が布袋さんみたくステージの前に出てきたとき、じゃあ俺も氷室さんみたいに!なんてスゲーくだらないんだけど
ちょっと気分は
BOOWY(笑)のつもりで絡んで、その瞬間何秒間かだけは、なんか自分自身が中学生になったような気分だったよ!(笑)きっとその年頃の頃に出会っても、一緒にバンドできたかもね!
そして、ステージで輝いてる田中雄二はやっぱりカッコいいギターリストだったよ!これからいろいろレコーディングなんかも始まるけど、また一緒にカッコいい音楽を作ろうぜ!これからもよろしく!!
by ヨシケン
この特設サイトは2004年、VHS版発売当時の特設サイトを再現したものです。
時系列など当時のままに掲載している箇所があります。